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サッシの錆止めやガラスの取り付けに施工上の瑕疵があるか争われた事案(東京地判令和4年3月31日)

1 事案の概要

 本件は,鉄筋コンクリート造,地下1階,地上4階建ての建物の建築の依頼をした施主が、請負業者に対し,サッシ付近の錆やガラスのひび割れなどが生じたことが施工上の瑕疵であると主張して,瑕疵担保責任に基づき損害賠償を請求した事案。主たる争点は、瑕疵の有無と損害額。

2 裁判所の判断

(1)サッシの錆止めの瑕疵の有無について

 窓枠がスチールサッシで錆が発生しやすいことから二液混合のウレタン防水処理が必要であるが、二液混合のウレタン防水は混合が不十分であると効果が十分でないことがあること、引き渡しから3カ月で錆が発生していることなどから、防水処理等の施工に瑕疵があるとした。

(2)ガラスの施工の瑕疵について

 窓ガラスの割れについては、ペアガラスの内側に破片が落ちているから、ガラスをサッシにはめ込む際に割れたものと推認し、被告の地震による割れの抗弁を排斥して施工の瑕疵を認めた。

3 コメント

 本件では、補修方法も争点となり、請負業が最も安価な方法で補修がなされるべきと主張しましたが、被告が主張するより安価で合理的な方法が具体的ではないとして、施主側の主張する補修方法を採用しました。なお、補修方法は、より安価方法がある場合は、その方法による補修がとられるべきであるとするのが一般的です。

(2022.12.3)